日本と中国は共に漢字を使用しているので、言葉は通じなくても日本人と中国人は「筆談」でコミュニケーションを取ることが可能だ。また、中国人は日本語の単語でも漢字を見れば大体の意味を推察できるという。


 これらは同じ漢字を使うからこそのメリットの1つと言えるが、漢字を組み合わせた単語から受ける「印象」という点でも、日本人と中国人には共通した部分があるようだ。中国のQ&Aサイト知乎にこのほど、「日本人の名前は中国語読みしても美しく感じるものが多い」と主張するスレッドが立てられ、その理由について中国人ネットユーザーが議論を交わした。

 スレ主は、一例として「稲垣結衣、桐谷美玲、羽生結弦、福山雅治、千葉真一」など有名人の名前を列挙し、こうした漢字の組み合わせは中国人にとっても「見た目に美しく、耳障りも良い」と論じた。また、「綾瀬はるか、浜崎あゆみ」も挙げているが、中国では漢字を当てて「綾瀬遥」、「浜崎歩」と呼ばれており、やはり中国語読みすると語呂が良く、美しい響きになるという。

 スレ主の主張に対し、「日本と中国では同一の漢字はほぼ同一の意味を持っていて、同一の漢字から連想するイメージが日中で似ていることが理由なのではないか」という意見が寄せられていた。特に日本人の苗字や名前は「自然」を連想させる漢字が多用される傾向にあることも、中国人からすると「美しく感じる」要因なのではないかと指摘するコメントがあった。


 一方、「美しく感じられる」日本人の名前であっても、苗字を「王」や「林」、「劉」、「張」といった中国式に置き換えた途端に「美しく感じられなくなる」という声もあり、つまり日本人の名前は中国語ではあまり使われない漢字の組み合わせであることが多いので「新鮮な感じがするだけではないか」との意見もあった。

 日本と中国は漢字を通じて似たような感覚を共有していると言えるだろう。しかしながら、なかには中国語で全く違う意味を持つ単語が日本では苗字や名前になっていたりと、中国人としては同じ漢字を使うがゆえに「戸惑いを覚える」ケースがないわけではないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)